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2023/12/20
絵本「あかいてぶくろ」
グリーフケア・ビリーブメントケア研究所の
石森恵美です。
あなたに届けたい一冊。
雪の降る寒い朝のこと。
道端に落ちた
片方だけの赤い毛糸の手袋は、
雪の降る中、
もう片方の赤い手袋を
探しに出かけます。
街はもうすぐクリスマス。
両方そろった手袋たちが、
にぎやかに仲良く
楽しそうに歩いています。
赤い手袋だって昨日までは、
もう片方の手袋とずっと一緒で、
自分たちは
そんな日が続くことを
信じていたのです。
まさか離れ離れになるなんて
考えもしなかったのです。
世界中には
片方だけの手袋がたくさんいますよね。
右と左、両方そろってひとつ。
それが当たり前の手袋。
当たり前が当り前でなくなる
寂しさや悲しみ、驚き。
一人ぼっちの片方だけの手袋は
どうしたらいいのでしょう。
絵本の後半で、
片方の赤い手袋は、
自分の毛糸がほどけるごとに
もう片方の手袋との
楽しかった時間を思い出します。
あったかな時間を思い出せると、
一歩を踏み出すのが
怖くなくなりますね。
絵も文も、
ぴよちゃんシリーズや
パンダたいそうでお馴染みの
いりやまさとしさん。
いりやまさん、
数年前に奥様を亡くされています。
大切な人を失ったあなたに届けたい。
いりやまさんの思いが伝わってきます。
もうすぐクリスマス。
どうぞこの絵本で
温かい涙を流してください。
「あかいてぶくろ」
いりやまさとし 講談社
いしもり